KIYORA(キヨラ)
Databookサービスとは? — AIで営業を支援するエンタープライズ向け Sales Intelligence プラットフォーム

Databookサービスとは? — AIで営業を支援するエンタープライズ向け Sales Intelligence プラットフォーム

2025-12-08 by YC Digest

企業概要

Databook は、企業の営業 (GTM: Go-to-Market) チームを支援するための AI駆動セールスインテリジェンス & ガイド付きセールスプラットフォーム を提供する企業です。

その主力プロダクトである DatabookAI は、営業担当者や収益/レベニューオペレーション (RevOps) チームが、戦略的なアカウント管理、商談準備、パイプライン管理などを実行する際に、
“データに裏打ちされたインサイト + AIによるガイド + 自動化ワークフロー” を提供し、営業プロセスの効率と成約率の向上を支援します。

多くの大手テック企業 — たとえば Microsoft、Salesforce、Databricks など — も導入しており、エンタープライズ向けの大規模な営業活動に対応可能です。


背景 — なぜ Sales Intelligence と Guided Selling が注目されているか

現代の B2B セールスやエンタープライズセールスは、単純な見込み客への営業ではなく、複数ステークホルダーが関与する複雑かつ長期的な商談が多くなっています。
そのため、以下のような課題が存在します:

  • アカウント情報、業績、企業動向、業界ベンチマークなど膨大なデータから「適切なターゲット」を見極めるのが困難
  • 営業担当者ごとにやり方がばらつき、ベストプラクティスが組織に共有されにくい
  • 会議準備、提案資料作成、次のアクション設計など、準備に多くの時間がかかる
  • 経営者や意思決定者向けの資料 (ROI モデル、事業インパクト分析など) の作成が手間

Databook はこうした“データの海 + 手作業の多さ”という構造的課題に対し、AI × データ × ガイド付きワークフローで対応するプラットフォームを提供します。


提供するソリューション

  • 戦略的アカウント管理 & テリトリープランニング
    企業の業績、業界動向、将来性、買い手の意向などを分析し、ターゲットや territory(営業エリア)を設計。

  • 商談準備支援 & Meeting Prep アシスタント
    商談前に必要なインサイト、背景情報、説得材料、提案資料 (POV デック、ROI モデルなど) を自動生成。

  • パイプライン管理 & パイプライン進捗支援
    商談の健康度、見込み度合い、次のアクションを提示。営業プロセスの漏れ漏れを防止。

  • Abandoned/再アプローチのためのアカウント再評価
    過去商談、休眠顧客、潜在顧客などをスコアリングし、再アプローチの候補を抽出。

  • 統合ワークフロー & チーム協業
    Slack/Microsoft Teams など既存のコラボレーション基盤に統合し、チーム全体で銘柄管理・情報共有。


主な特徴・強み

✅ データ主導の “買い手インテリジェンス (Account Intelligence)”

Databook は公開データ、企業財務データ、業績、業界ベンチマークなどを統合 —
ただの汎用 AI ではなく “実績に裏付けられた高信頼データ” を元に分析を行います。

✅ Guided Selling — “営業コーチ in your browser”

DatabookAI はただのチャットツールではなく、営業プロセスをガイドするコーチとして機能。
商談準備、アカウントプランニング、パイプライン管理などをワークフロー化し、誰でもベストプラクティスを再現できる環境を提供します。

✅ エンタープライズ対応のスケーラビリティとセキュリティ

Slack や Teams、既存 CRM や営業システムとの連携、カスタム API、機密データの扱いなど、企業で使える堅牢性・柔軟性を備えています。

✅ 再現性と標準化 — 優秀な営業 behavior の組織への落とし込み

トップパフォーマーの動きや成功プロセスを “ワークフロー化”し、組織全体に展開。
営業担当のスキルや経験に依存しない安定した営業実行を実現します。


資金調達と企業規模

  • Databook は 2020年2月 に シードラウンドで 500万ドル を調達。リード投資家は Threshold Ventures。
  • その後、2021年4月 に シリーズAで 1,600万ドル を調達。リードは M12(Microsoft のベンチャーファンド)、さらに既存投資家を含む。
  • 2022年2月には シリーズBで約 5,000万ドル を調達し、これまでの累計調達額はおよそ 7,140万ドル
  • 2024年時点での売上は 約 2,220万ドル (22.2M USD)、顧客数は 48 社、従業員数 107 人。成長が継続しています。

この資金調達と成長実績は、Databook が「単なるスタートアップ」ではなく、
エンタープライズセールス支援の 主力プレイヤー に成長していることを示しています。


導入企業と実績例

Databook の公開情報によれば、導入企業には Microsoft、Salesforce、Databricks など、
エンタープライズセールスを主軸とする大手テック企業 が含まれます。

ある導入企業(データインテリジェンス企業、Precisely)では、
Databook を使った結果、「ユニークな顧客アクセス数が 10 倍に増えた」 — と公表されています。

こうした成果は、単なるツール導入による効率化にとどまらず、
営業体制そのものの設計見直し・再現可能な営業モデルの構築 にまで波及しているようです。


なぜ Databook が注目されるか — 他サービスとの違い

  • 単なる「大量ラベル付け」ではなく、「ドメイン専門家による高品質データ生成」に特化
  • テキストに限らず、画像・音声・ロボット操作など複雑なモダリティ に対応
  • 厳しい審査 + 品質管理 + スケーラブルなネットワーク による安定供給基盤
  • 急速に拡大する AI 人間データ市場の需要を捉えたタイミングと事業領域

価値提案

  • 営業生産性の大幅な向上 — 手間や時間がかかっていた商談準備・資料作成を短縮
  • 高精度なターゲット選定と戦略立案 — データに基づいたアカウントスコアリング・領域設計
  • 組織としてのセールス力の底上げ — 個人差ではなく “プロセスと標準” で勝つ営業体制
  • 営業から経営層まで通用する資料・ストーリーの迅速生成 — ROI 提案、財務分析、業界比較などを即時可視化
  • 拡張性と柔軟性を兼ね備えた導入 — 既存ツールやワークフローを壊さず統合可能

よくある質問

Q: DatabookAI はどのような営業に向いていますか?
A: 複雑な商談、多数アカウント管理、大規模なチームでの標準化が必要なエンタープライズセールスに特に有効です。

Q: なぜ他の汎用 AI と差別化できるのか?
A: 公開データ・業界データ・企業情報を統合した “信頼性あるインテリジェンス” を使い、かつ営業ワークフロー全体をガイドする設計があるためです。

Q: 導入までどれくらい時間がかかる?
A: プラットフォームはブラウザ/Slack/Teams で動作し、カスタム設定を含めても比較的短期間で導入可能です。


まとめ

Databook は、単なる「AI の手助けツール」ではなく、
営業チーム全体を変革する “ガイド付きセールスインフラ” です。

複雑な商談、多数アカウント、複数チームを横断する大規模 B2B 営業において、
“データ × AI × プロセス” を統合することで、属人的ではない再現性とスケーラビリティを実現します。

組織のセールス力を底上げし、効率と成果の両立を目指す企業にとって、Databook は強力なパートナーとなるでしょう。